精神科認定看護師

安部 圭太郎 (看護副主任)

平成26年 当時の行動制限最小化領域の認定看護師として、茨木病院で初めて取得した。本文中でも紹介があるが、行動制限最小化委員会のメンバーとして、また看護部部会のリーダーとして活躍している。
院外の研修講師としても、活躍の場が広がっている。
◆ 認定看護師の取り組み ◆

「現場の声を届けよう」
 精神科認定看護師をとってまず取り組んだのは、現場の声を行動制限最小化委員会に届けることから始まった。
 わたしは、10領域の中の行動制限最小化看護の領域(現在は統合されている)で精神科認定看護師を取得したこともあり、取得した時点から行動制限最小化委員会に参加することは決まっていたのだが、まず看護部長に提案したのは行動制限最小化委員会の下に副主任で構成される委員会の設立であった。それは現在、看護部部会として活動している。


「転倒予防への試み」
 看護部部会でまず取り組んだのは、介護施設基準に合わせて拘束をどう考えていくかということから始め、転倒リスクによる車椅子拘束をどのように外していくかという課題であった。これは現在進行形で話をしている最中であるが対象にどのようなリハビリテーションを実施していくかということをテーマに挙げている。


「スタッフに意識してもらいたいこと」
 次に長期隔離拘束をされている患者さんをみている病棟の相談窓口として、月1回であるが各病棟を回りカンファレンスに参加している。カンファレンスでスタッフに問いかけている内容は、「なぜ隔離拘束することになったか?」「現時点での問題は?」「隔離拘束が患者さんに利益を与えているか?不利益になっていないか?」ということである。
 少なくとも隔離拘束をすることになった理由があり、それには原因があるということ。患者さんに何かしらのイベントが発生したために状態の悪化につながっているのならば、そこを解消しないと患者さんの回復にはつながらないことを強調している。
 そして、隔離拘束が始まった理由と現在の理由が違っていないかという問題のすり替えが発生していないか、例えば精神症状の悪化から始まった隔離拘束が身体的理由にすり替わっているというのは、よく聞くところである。そこで伝えているのは隔離拘束の継続理由が違っていれば、一度隔離拘束を解除すべきであるということである。
 つぎに患者さんの利益、不利益である。患者さんに利益がないのだとしたら看護の介入不足であるということである。ここでは介入方法の再検討が必要になってくる。


「ベテランスタッフの経験を共有しよう」
 最近ではエビデンスを重要視する流れになってきているが、現場にいて思うことは経験値の蓄積があまりに少ないことである。それはベテランといわれるスタッフがどのような経験をし、それをどのように活用しているかが見えにくいということである。
 そのために全看護職員対象で1年間の計画でグループワークを実施している。内容は「行動制限を最小化するには」という演目で、なるべく同じ病棟にならないようにグループを編成して話しあってもらっている。これはベテランと呼ばれているスタッフの考え方を聞く機会となり、また隔離拘束に対しても病棟文化の違いを感じてもらい共有してもらうのが狙いである。


「医師同士でも話し合ってもらおう」
 隔離拘束を最小化するためには、看護師だけの取り組みだけでは限界がある。それは隔離拘束を指示している主治医がいるということである。これは私が提案したものではないが、5月から長期隔離拘束されている患者さんの主治医を対象に、別の医師と看護スタッフ、コメディカルでケースカンファレンスを開催している。ただ、これは新たな取り組みであり、まだまだ進行上の問題があるため洗練させていきたいと考えている。