統合失調症の症状と治療

統合失調症は、幻覚(げんかく)や妄想(もうそう)が代表的な症状である精神疾患です。

統合失調症は、100人に1人弱の割合で発症する頻度の高い病気です。脳内の神経伝達物質(神経と神経のつなぎ目「シナプス」で信号を伝える物質)であるドパミンやセロトニンなどの異常が原因ではないかと言われていますが、それ以外にも様々な原因が考えられており、明確にはわかってはいません。

主な症状

統合失調症の場合には、自分自身が病気であるという自覚「病識(びょうしき)」が乏しいのです。つまり、幻覚や妄想のような症状が病気による症状であることに自分で気づくことができません。

  • 幻聴

    代表的な症状のひとつに、実際には存在しないはずの声が聞こえる「幻聴(げんちょう)」があります。具体的には、「誰かが自分の噂をしている」といった声が聞こえることがあり、周囲に誰もいない状況でもご本人にとっては非常に現実味を持って感じられるのが特徴です。

  • 妄想

    客観的な事実とは明らかに異なる内容を、真実であると強く確信してしまう状態です。具体的には「誰かに狙われている」「周囲の全員が自分を監視している」といった、現実には起こっていない体験を指します。こうした思い込みは、周りの方がいくら否定や訂正を試みても、ご本人にとっては揺るぎない現実に感じられるため、受け入れることが難しいという特徴があります。

統合失調症の治療

病気が明らかになると、治療は外来か入院のどちらで行うのが適切なのか決めなければなりません。

幻覚や妄想によって日常生活をおくることが困難な場合、病識(びょうしき)に乏しいために服薬など治療に必要なことが出来ない場合などは、入院による治療が必要になります。

入院することにより、医師は患者さんの病状を詳しく知ることができますので、薬による治療や検査などの調整が行いやすくなります。また、患者さんにとっては入院そのものが休養になります。

近年は、新しい薬が開発されており、また、医療・看護技術の向上によって、治療も進歩しています。

当院では専門の医師が、患者さんに適切な薬を選択して治療をおこない、並行して作業療法などリハビリテーションも行ない、社会復帰と生活支援を目指しています。

うつ病の症状と治療

うつ病は、「1日中気分が落ち込んでいる」「何をしても楽しめない」といった気分の変化や、「食欲がない」「眠れない」「疲れやすい」などの身体的な不調といった様々な心身の症状が長期間にわたって続いてしまい、その結果として日常生活や仕事、学業などに大きな支障をきたしてしまう精神疾患です。

うつ病の原因

うつ病の発症には、個人の気質や置かれた環境が密接に関係しています。特に責任感が強く、何事にも几帳面に取り組む方は注意が必要です。こうした性格的な傾向に、心身への過度な負担が積み重なることで、症状が引き起こされるケースが少なくありません。

うつ病の主な症状

主な兆候として、眠れない、食事が進まない、気持ちが深く沈むといった状態が挙げられます。物事を否定的に捉えやすくなり、自己肯定感が著しく低下するのも特徴です。さらに病状が深刻化すると、自ら命を絶つことを検討する恐れもあります。

早期発見と治療の重要性

現代の日本では、精神疾患を抱える方が300万人を突破したと厚生労働省が報告しており、誰もが直面し得る身近な病となっています。こうした状況において重要なのは、異変を早期に察知することです。迅速に適切なケアや治療を開始すれば、重症化を防ぎ、より早い改善が期待できることが明らかになっています。

うつ病の治療

早めに治療を始めるほど、回復も早くなります。無理をせず早めに専門の医師にかかること、そして必要な場合にはゆっくり休養をとることも大切です。

薬物治療は抗うつ薬による治療を行います。うつ病の治療薬は飲んですぐに効果が現れるものではなく、焦らずに服薬を継続する必要があります。眠れないときには睡眠導入薬、その他に抗不安薬や気分安定薬なども使用します。

薬物治療と合わせて行うのが「認知行動療法」に代表される精神療法です。うつ病の原因となったストレスを振り返って対処法を学び、調子の良い状態を維持し、再発を防ぐ目的で行ないます。

双極性障害の症状と治療

双極性障害は、うつ状態と躁(そう)状態の2つの状態を繰り返す慢性の病気です。躁状態の時に、気持ちが高ぶって自分が偉くなったように感じられ、傲慢な態度を取ったりします。眠らなくても平気で、お金をたくさん使ったりします。家族や周囲とのトラブルを起こして、社会的信用を損ねてしまいかねず、入院が必要となります。このような躁状態とうつ状態を繰り返す場合を双極Ⅰ型障害とよんでいます。

一方、同じ躁状態でも入院するほどでもなく、本人も周囲の人もそれほどは困らない程度の状態を「軽躁状態」といいます。うつ状態と軽躁状態を繰り返す場合を双極Ⅱ型障害と呼んでいます。双極性障害は日本人では0.7%の頻度で発症するといわれ、決して少なくない病気です。

双極性障害の治療

双極性障害の躁状態に対する治療薬には、比較的効果があるものが多くあります。
また、薬でコントロールすれば、それまでと変わらない生活をおくることが十分に可能です。躁状態を繰り返すことで、社会的に後遺症を残さないために再発予防の薬を続けなければなりません。双極性障害は、高血圧や糖尿病などと同じ慢性の病気なので、薬の継続は重要です。

予防に大切な点は、日々の生活のリズムを守ることです。徹夜をして睡眠のリズムを乱したりすると、一気に躁状態になってしまうことがあります。また、飲み会で大騒ぎをして、強い刺激を機に再発してしまうこともあります。

ご家族の方へ

精神疾患の患者さんは、ご本人自身が病気にかかっているという自覚を持てないケースが少なくありません。そのため、日々患者さんと接するご家族が、普段とは異なる様子や症状の変化に気づき、早めに適切な医療機関への受診を促していくことが非常に重要な役割となります。患者さんやご家族だけで抱え込んで悩み続けるのではなく、病院の専門医や精神保健福祉士といった専門家の知識や経験を積極的に活用し、適切なサポートを受けることを強くおすすめいたします。

家族へのサポート

当院では、患者さんだけでなく、ご家族への支援も行っております。医療福祉相談室では、病気や治療についての不安、介護の悩みなど、様々なご相談に応じています。

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